住空間コーディネートを 18 年続けてきて、最も多く受ける相談が「収納が足りない」です。けれども本当に必要なのは、より多くの収納ではなく、収納が作る暮らしの余白です。本コラムでは、私たちが提案する「収納の 3 つの考え方」をお伝えします。
1. 隠す収納と見せる収納の比率
多くの方が「全部隠したい」と考えがちですが、実は「隠す:見せる = 7:3」が美しいバランスです。よく使うもの 30% を見せて、それ以外を隠す。これだけで部屋全体が「動いている空間」になります。
2. 収納の高さ別ルール
使用頻度に応じた高さ配置が鉄則です。
- 毎日使うもの (60% 以上) → 腰高〜目線高 (75-150cm)
- 週 1-2 回使うもの (30%) → 床上〜腰高 (0-75cm)
- 月 1 回以下 (10%) → 目線上 (150cm 以上)
この配置だけで、毎日の動作が「探す」から「取る」に変わります。
3. 「ホテルの空気」を作る 1 つの工夫
ホテルの部屋が落ち着くのは、「視界に入るものが少ない」からです。住宅でも同じ仕組みを採り入れられます。リビングのソファに座った時の視界に、生活感のあるもの (リモコン・ティッシュ・充電器) を入れない収納設計を意識してください。
具体的には、ソファ脇に小型のサイドテーブル + 小引き出しを配置し、よく使う 5-7 アイテムをそこに集約するだけ。リビングの「見える物量」が 30% 減ると、空間の感覚は劇的に変わります。
収納とは「物を入れる場所」ではなく「物を選ぶ場所」です。家にあるものの 80% は、ここ 1 年で使わなかったもの。本当に必要なものに絞ったとき、初めて家具が引き立つ空間が生まれます。
— 主任 神山 美咲