マラソンブームの中、当院に最も多く来院されるのが「ランナー膝」(腸脛靭帯炎) です。本コラムでは、ランナー膝の見分け方と、放置するとなぜダメなのかを解説します。
1. ランナー膝の典型症状
- 走行中、膝の外側に痛みが出る (内側ではない)
- 走り始めは痛くないが、5km 過ぎから痛みが強くなる
- 下り坂で痛みが増す
- 休むと改善するが、再開すると同じ場所が痛む
2. なぜランナー膝になるのか
主な原因は以下の 3 つの組み合わせです。
- 大殿筋・中殿筋の弱さ → 走行時に膝が内側に入る (ニーイン)
- 腸脛靭帯の柔軟性低下 → 走行時に大腿骨外顆と擦れる
- 走行距離 / 頻度の急増 → 組織修復が追いつかない
3. 早期介入のすすめ
痛みを「気合で乗り切る」と、慢性化して 3 ヶ月以上の休養が必要になることがあります。早期 (痛み出現後 2 週間以内) に介入すれば、復帰までの期間は大幅に短縮されます。
当院でのアプローチ
- 動画フォーム解析で原因の特定
- 大殿筋・中殿筋の強化エクササイズ処方
- 腸脛靭帯のストレッチ指導
- 必要時、体外衝撃波 (ESWT) で組織修復促進
- 段階的復帰プログラムでレース日を逆算
「次のレースに間に合わせたい」という気持ちはよく分かります。だからこそ、痛みが出始めた早い段階での受診が、結果的に最短ルートになります。
— Sports PT 林 達也